なかがわこんにちは!
茨木市で児童発達支援事業や保育所等訪問支援事業を行っている「えんりっち」の中川です。
2026年7月23日、高槻市にある「つどいのひろば ぴーかぶー」にお招きいただき、乳幼児の保護者の方を対象に「子どものからだと運動の発達を知る」をテーマとした講座を行いました。
ぴーかぶーは、NPO法人三島子ども文化ステーションが運営する、親子が交流したり、日々の子育てについて相談したりできる地域の子育て広場です。毎週金曜日の午後には、よちよち歩きまでの赤ちゃんを対象とした「ハイハイ赤ちゃんの日」も開かれています。

今回の講座のテーマは「運動の発達」。資料では「からだを通した豊かな体験と生きる力」という言葉を軸に、赤ちゃんの頃から積み重なるさまざまな運動や感覚の経験についてお話ししました。
からだを通した体験が「生きる力」につながる

子どもの運動発達というと、「何か月で寝返りをした」「ハイハイができた」「歩けるようになった」といった節目が目につきやすいですよね。
やってみる。
できる。
「なるほど!」と感じる。
そして、また「やってみよう」と思う。
資料では、こうした経験の積み重ねが、自信や意欲、ことば、勉強、仕事、生活へとつながり、「生きる力」を育てていくとお伝えしました。
運動の発達は、姿勢やバランス、目と手を一緒に使う力、手先の器用さ、形を捉える力など、日常生活や学びを支えるさまざまな力の土台にもなっていきます。
一つひとつの動きが、次の発達の準備になります

なかがわ講座では、胎児期から1歳頃までの運動発達の流れもご紹介しました。
3か月頃には、くびすわりやからだの軸が育ち、自分の手や足、口、目を一緒に使いながら「見たい」「触りたい」「舐めたい」という経験が増えていきます。
4〜5か月頃には、仰向けやうつ伏せで姿勢を保つ力が育ち、6か月頃になると、おすわりや寝返りなどを通して、さらに自分から動ける範囲が広がっていきます。
7〜9か月頃には、ピボットやずり這い、ハイハイの姿勢、おすわりなどを経験しながら、手足を交互に使うことやバランスを学びます。10か月頃からは、つかまり立ちや伝い歩きなど、歩くための足腰やバランスにもつながっていきます。
月齢はあくまで目安で、発達の進み方には個人差があります。大切なのは、その時期の子どもが繰り返している動きそのものにも意味があると知ることです。
アンケートでも、0歳のお子さんのお母さまから、
最近、四つん這いで前後に動いたりよくしているのにも意味があるんだと思った
という感想をいただきました。
また、
今までなんとなく『この時期に○○をする』と知識として知っていたことが、先にある動きや成長のためにある大事な発達だとわかり、とても納得しました
という声もありました。
特別な運動より、毎日の遊びの中でたくさん体を使う
「運動神経のいい子に育ってほしい。どんな運動をしたらいいですか?」
こうした疑問を持つ保護者の方もいらっしゃいます。今回参加された方の中にも、ご家族から「どんな運動をしたらいいか知りたい」と言われて参加された方がいました。
講座後には、
“特別何かをする”ということではなく、それぞれの発達段階で習得していくハイハイやつかまり立ち等をたくさんできる環境を整えることが大切だと感じました
という感想をいただいています。
子どものからだは、さまざまな感覚を受け取りながら育っていきます。資料では、見る・聞く・触れるといった五感に加えて、バランスを感じる前庭覚や、筋肉・関節からからだの位置や動きを感じる固有受容覚についてもご紹介しました。
床の上でおもちゃに手を伸ばす。
ハイハイする。
つかまり立ちする。
公園で遊ぶ。
しゃがんで、また立ってみる。
毎日の生活の中にも、からだを育てる経験はたくさんあります。
WHOも5歳未満の子どもについて、年齢に合った安全で楽しい遊びを通して、さまざまな身体活動を経験することを勧めています。1歳未満では、床の上で体を使う遊びを一日の中で何度も取り入れることも推奨されています。
参考:WHO「Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age」
遊びが子どもの発達の土台につながる理由は、こちらの記事でも詳しくお話ししています。

できれば避けたい?運動の発達に大切な「3K」

講座では、運動の発達に大切な経験として「3K」をご紹介しました。「きつい」「きたない」「きけん」の3つです。
大人からすると、できれば避けてあげたくなるものばかりかもしれません。資料では、「きつい」は姿勢の力、「きけん」はバランス、「きたない」はからだの感覚につながる経験として紹介しています。
少し大変な姿勢で自分のからだを支える。
年齢や発達に合った遊具や高低差に、安全を確保しながら挑戦する。
水や砂、泥などに触れて遊ぶ。
こうした体験の中で、子どもは自分のからだを使いながらたくさんのことを学んでいます。
アンケートでも、
公園の遊具など危ないかと避けていた所もあったのですが、もう少しチャレンジしてみようと思いました
高い所に登る、砂で汚れるなど、大人の忍耐がもつ限り見守り、経験させようと思います
といった感想が寄せられました。
1歳と2歳のお子さんのお母さまからは、
なんでやたらと高い所に行きたがるのかな?と疑問に思っていたのですが、スリルを感じたり、それが楽しい、面白い、また刺激につながっているとわかり、納得でした
という声もありました。
もちろん、安全の確保が前提です。そのうえで、「この子は今、何を経験しようとしているんだろう?」と見てみると、いつもの遊びの見え方が少し変わるかもしれません。
感覚の受け取り方と子どもの行動の関係については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

生活の中にも、発達につながる体験がたくさんあります

講座の後半では、遊びだけでなく、毎日の生活にもたくさんの体験が詰まっていることをお話ししました。
なかがわ資料では「お手伝いをしてもらいましょう!」という例を挙げています。
お手伝いの中には、筋力やバランスを使う場面、数や順番を考える場面、手先を使う場面などがあります。子どもにとって日々の生活そのものが、からだや考える力を使う経験になっていきます。
今ある暮らしの中で、子ども自身が「やってみよう」と思える機会を少しずつ増やしていくことも、発達を支える大切な方法の一つです。
ちょっとした「これって大丈夫?」も相談していただきました
講座では、乳幼児の運動発達についてのお話とあわせて、保護者の方から日頃気になっている動きについてもご相談いただきました。たとえば、こんなことです。
- ずり這いで片足しか使わない
- 四つん這いにはなるけれど、前には進まない
- 成長が早い気がして、逆に少し心配
こうしたご相談には、成長の個人差として見守れるものも多くあります。地域の講座では、お子さんの様子を伺いながら、必要に応じて日常の遊びに取り入れやすい動きや工夫もお伝えしています。
アンケートでも、
子どもの成長が早いので少し心配でしたが、一つ一つの行動が次のステップにすすむためであることがわかって安心しました
とても為になったので、安心して子育てができそうです
という声をいただきました。
子育てをしていると、「病院へ相談するほどかな?」「でも少し気になるな」ということもありますよね。そんな小さな疑問を、地域の身近な場所で専門職と一緒に考えられることも、こうした講座の大切な役割だと思っています。
僕自身、作業療法士として5歳児健診にも関わっています。健診の場で作業療法士が何を見ているかは、こちらの記事でお話ししています。

「安心して子育てができそう」という言葉をいただいて
資料の最後には、「豊かな体験には、自分のからだで感じることが大切です」というメッセージがあります。
子どもが自分で動いて、感じて、「できた」「なるほど」と思える。その経験が次の「やってみよう」につながっていく。
発達について知ることで、保護者の方が少し安心して子どもの姿を見られるようになることも、僕たちが大切にしていることの一つです。
えんりっちでは、子どもへの直接的な支援に加えて、子育て支援センターや地域の子育て広場などで、乳幼児の発達や遊びについての講座・相談も行っています。
- 乳幼児の運動発達について保護者向けに話してほしい
- 普段の遊びの中でできることを知ってもらいたい
- 保護者からの発達相談も含めた講座をお願いしたい
といったご相談も、内容を伺いながら一緒に考えていきます。自治体、子育て支援センター、保育・教育関係者の皆さまも、お気軽にお問い合わせください。
えんりっちでは、子どもへの直接支援に加えて、学校・教育機関、保育・福祉関係者、保護者の方向けの研修・講演も行っています。
なかがわ「こういうテーマでもお願いできる?」という段階からでも大丈夫です。お気軽にお問い合わせください。
