「これ、学校でも使えそう!」茨木市教育研究会 支援教育部の先生方に、療育の工夫をご紹介しました

なかがわ

こんにちは!
茨木市で児童発達支援事業や保育所等訪問支援事業を行っている「えんりっち」の中川です。

7月末、茨木市教育研究会 支援教育部の先生方が、えんりっちの見学に来てくださいました。

当日は、放課後等デイサービスや福祉制度についてのお話だけでなく、普段えんりっちの療育で使っている遊具や、子どもの「できる」を助けるための道具なども、実際に見ていただきました。

遊具を手に取っていただくなかでは、

「これなら学校でも使えそう」
「あの子にいいかもしれない」

といった声も。

私たちにとっても、学校の先生方が日頃どのように子どもたちを見て、どんな工夫をされているのかを知る、とてもよい機会になりました。

今回は、そのときの様子をご紹介します。

目次

茨木市教育研究会 支援教育部の先生方がえんりっちへ

えんりっちに見学にいらっしゃった茨木市教育研究会 支援教育部の先生方と、説明する弊社作業療法士

今回見学に来てくださったのは、茨木市教育研究会 支援教育部の先生方、約30名です。

支援教育部には、支援学級を担当する先生だけでなく、通級指導教室や通常学級を担当する先生も参加されています。

毎年、子どもたちが利用する福祉施設を実際に見学する取り組みをされており、今年は放課後等デイサービスを見学することになったそうです。

その見学先を探すなかで、えんりっちのホームページを見つけていただき、お問い合わせをいただきました。

当日は、中川と作業療法士スタッフ2名で先生方をお迎えしました。

放課後等デイサービスでは、どんな支援をしている?

まずは、福祉制度や放課後等デイサービスについて簡単にご説明しました。

学校の先生方は、子どもたちが学校で過ごしている姿を日々見ておられます。

一方で、学校が終わったあと、子どもたちが放課後等デイサービスでどのように過ごし、どのような支援を受けているのかを実際に見る機会は、それほど多くありません。

そこで今回は、「えんりっちではこんな療育をしています」という施設紹介だけではなく、

  • 放課後等デイサービスとはどのような場所なのか
  • 福祉のなかでどのような支援が行われているのか
  • そのなかで、えんりっちはどのような視点で子どもたちを見ているのか

といったところからお話ししました。

学校と福祉では、子どもと関わる場面も役割も異なります。

だからこそ、お互いが「普段どんなところを見ているのか」を知ることが、子どもへの支援を考えるうえで大切だと感じています。

「これ、学校でも使えそう!」療育で使う遊具や道具をご紹介

今回、先生方に特に興味を持っていただいたのが、えんりっちで実際に使っている遊具や道具です。

えんりっちには、大型の吊り遊具など、療育施設だからこそ用意できる設備もあります。

その一方で、身近な材料で作れるものや、学校でも取り入れやすい小さな遊具・道具もたくさんあります。

今回は、実際に手に取ったり使ったりしていただきながら、「どう使うか」だけでなく、「何のために使っているのか」ということも、作業療法士からご説明しました。

えんりっちでは療育で使うおもちゃの販売もしています

身近な材料から作れる遊具

たとえば、輪投げや、プールスティックと新聞紙などを使って作った遊具です。

特別な療育用品を購入しなくても、身近にあるものを少し工夫することで、子どもが体や手を使って楽しめる遊びをつくることができます。

先生方からも、「こうすれば学校でも使えそう」「この使い方なら取り入れられそう」といった声が聞かれました。

学校では、療育施設と同じ設備をそのまま用意するのは難しいこともあります。

だからこそ、「今あるものをどう使えるか」「少し工夫すると何ができるか」という視点は、とても大切だと思います。

吹き戻しなど、口の運動を促すおもちゃ

吹き戻しや吹き上げパイプなど、息を使って遊ぶおもちゃもご紹介しました。

今回お見せした3つのおもちゃは、楽しみながら口の運動を促すことを目的として使っているものです。

「訓練」として同じ動きを繰り返すことは、子どもにとって負担になる場合もあります。

でも、遊びのなかなら、「もう一回やってみたい」「もっと飛ばしたい」という気持ちから、自然と同じ動きを繰り返すことがあります。

えんりっちでは、子ども自身が楽しみながら体や感覚を使えることを大切にしています。

手の発達に合わせて、持ちやすくする自助具

オールフィットで補助具をつけたお箸とスプーン
オールフィットで補助具をつけたお箸とスプーン

先生方から特に反応が大きかったのが、スプーンやお箸です。

一見すると普通のスプーンやお箸ですが、持つ部分には「オールフィット」という樹脂をつけています。

なかがわ

子どもの手の発達や動かし方に合わせて形を調整し、持ちやすくしたり、力を入れやすくしたり、「自分で食べる」ことを助けたりするための自助具です。

「道具を使えるようになるまで練習する」という考え方だけではなく、「その子が今使いやすい形に道具のほうを合わせる」という方法もあります。

少し道具を調整することで、子どもが自分でできることが増える場合もあります。

道具だけを見るのではなく、「なぜ難しいのか」を考える

えんりっちでは、感覚統合の考え方を軸に、子どもの困りごとの背景を考えながら支援しています。

たとえば、お箸や鉛筆をうまく使えない子がいたとします。

すると、どうしても「指先をもっと練習したほうがいいのでは?」と考えたくなるかもしれません。

でも、指先を細かく動かすためには、その前提として、安定して姿勢を保つ力や、肩・ひじ・手首の動き、物に触れたときの感覚、力加減の調整など、さまざまな力が関わっています。

生活動作が難しいときにも、その動作だけを繰り返し練習するのではなく、背景にある運動や認知など、ほかの領域と関連づけて考えることが大切です。

えんりっちの支援でも、遊びのなかに生活動作につながる要素を取り入れたり、必要に応じて道具や環境を調整したりしながら、子どもが「できた」と感じられる段階をつくっています。

そのため、

「できないから練習する」

だけではなく、

「どうして難しいのだろう?」
「どこを助けるとやりやすくなるだろう?」

というところから考えます。

今回先生方にご紹介した遊具や自助具も、「こういうケースにはこれ」と当てはめるための固定的なハウツーではありません。

目の前の子どもの様子を見ながら、何が難しいのか、どこを助けると取り組みやすくなるのかを考えるための、選択肢のひとつです。

学校だからこそできる工夫もあります

今回、先生方とお話しするなかで特に印象に残ったのは、遊具や道具を見ながら、

「自分のクラスならどう活かせるだろう」
「この工夫なら取り入れられそう」

と、普段関わっている子どもたちの姿を思い浮かべながら考えておられたことです。

なかがわ

使い方を聞いて終わりではなく、自分のクラスや子どもたちに置き換えて考えておられる姿が印象的でした。

学校では、療育施設と同じ設備や遊具をすべて用意することはできません。

予算や場所、人数などの制約もあります。

だからこそ、身近にあるものを使ったり、少し形を変えてみたり、子どもが取り組みやすい置き方や環境を考えたりする工夫が役立つことがあります。

私たち作業療法士が、「この子には、この方法が正解です」と答えを渡すことが一番の目的ではありません。

子どもの様子を一緒に見ながら、「なぜ難しいのだろう?」「こんな工夫ならできるかな?」と先生方と一緒に考えていけること。

そこに、作業療法士が学校や園と関わる意味があるのではないかと思っています。

保育所等訪問支援についてもお話ししました

最後に、えんりっちで行っている「保育所等訪問支援」についてもご紹介しました。

保育所等訪問支援では、作業療法士などのスタッフがお子さんの通う園や学校を訪問します。

療育の場だけではなく、実際に子どもが生活している教室や園での様子を見ることで、

  • 授業や活動に参加しにくい
  • 集団のなかで困ることがある
  • 姿勢や体の使い方が気になる
  • 道具をうまく使えない
  • 先生がどのように関わればよいか迷っている

といったことについて、その場でできる支援や環境の工夫を先生方と一緒に考えていきます。

療育の時間にはできていても、学校では難しいこともあります。

反対に、学校だからこそ見える子どもの姿もあります。

それぞれの場所で見えていることを共有しながら支援を考えられるのが、保育所等訪問支援の大きな特徴です。

見学後にいただいた感想には、保育所等訪問支援を通して支援のヒントを得たことや、学校・家庭・療育が連携する大切さに触れたものもありました。

「こんなことで相談していいのかな?」と思うようなことでも大丈夫です。

お子さんの学校生活や園生活で気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

見学を終えた先生方から、こんな感想をいただきました

見学後にいただいた感想で特に目立ったのは、学校や通級、自立活動でも取り入れられそうな工夫があったことや、普段は見えにくい放課後等デイサービスでの過ごし方・支援への理解が深まったという声です。

また、保育所等訪問支援については、「支援のヒントを得られた」「子どもの様子を一緒に見ながら相談したい」「学校・家庭・療育が連携することの大切さを感じた」といった感想が寄せられました。

その一部をご紹介します。

「通級でもできそうなことがいくつもあったので、2学期に取り入れてみようと思います」

「放課後デイに通っている子はたくさんいるが、何をしているのか分かりにくいことが多かったので、今回お話を聞けて少し理解ができました」

「訪問支援の時は、一緒に考えていろいろ相談したいと思いました」

「保護者の困りごとも含めて、子ども、家庭を支え、見守っていくというスタンスがとてもあたたかく、心強い存在だなと感じました」

こうした感想を受け、私たちも、遊具や道具の使い方をお伝えするだけでなく、子どもがなぜ難しさを感じているのか、どのような環境や関わりがあれば取り組みやすくなるのかを、先生方や保護者の方と一緒に考えていくことの大切さを改めて感じました。

なかがわ

これからも、療育の専門的な視点を学校や園で実践できる工夫へとつなぎ、それぞれの場所で見えている子どもの姿を共有できる関係づくりを大切にしていきます!

学校・園・支援者の方からの見学や研修も歓迎しています

えんりっちでは、今回のような見学のほか、学校・園・療育施設などへの研修や講演も行っています。

感覚統合や運動発達、子どもの見方、日々の支援でできる工夫など、ご希望に合わせて内容を考えています。

「先生たちで感覚統合について学びたい」
「実際の療育の様子を見てみたい」
「学校での支援について作業療法士の話を聞いてみたい」
「気になる子どもの見方について学びたい」

といったご相談も歓迎しています。

「こんな内容でもお願いできる?」という段階からで構いません。

学校や園、支援者の皆さまも、どうぞお気軽にお問い合わせください。

学校と福祉が、気軽に相談し合える関係に

療育で使う遊具を体験される先生
療育で使う遊具を体験される先生
卓上の療育の説明を聞かれる先生
卓上の療育の説明を聞かれる先生

今回、先生方にえんりっちの療育を見ていただいただけでなく、私たちも先生方のお話や反応から、たくさんのことを学ばせていただきました。

子どもたちは、家庭だけ、学校だけ、療育だけで育っていくわけではありません。

保護者の方、学校や園の先生、福祉・療育の支援者、そして地域のさまざまな人たちが、それぞれの場所から子どもたちの育ちに関わっています。

だからこそ、それぞれが別々に頑張るのではなく、

「こんなことで困っている」
「こんな方法を試してみた」
「こうすると、うまくいった」

と、気軽に話せる関係があることはとても大切だと思っています。

えんりっちは、これからも保護者の方、支援者の方、地域の皆さんとの縁をつなぎ、子どもたちの育ちを一緒に考えられる場をつくっていきたいと思っています。

今回の見学も、そんな縁がひとつ増えた機会になりました。

なかがわ

茨木市教育研究会 支援教育部の皆さま、このたびはお越しいただき、本当にありがとうございました!


えんりっちでは、子どもへの直接支援に加えて、学校・教育機関、保育・福祉関係者、保護者の方向けの研修・講演も行っています。

なかがわ

「こういうテーマでもお願いできる?」という段階からでも大丈夫です。お気軽にお問い合わせください。

先生方へ

「まずは情報収集だけしたい」「管理職にどう説明すればいいか相談したい」といった段階でも、もちろん大歓迎です。作業療法士がお話を伺い、それぞれの園や学校に合った活用の形を一緒に考えます。

保護者の皆さまへ

「利用するにはどういう手続きが必要?」「料金は?」といった具体的な疑問にお答えします。園や学校に相談する前に、まずは専門家の話を聞いてみたいという方も、お気軽にお問い合わせください。

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