わたしたちが大切にしていること、これから向かう場所。みんなで読む、5年後の風景

なかがわ

こんにちは!
茨木市で児童発達支援事業や保育所等訪問支援事業を行っている「えんりっち」の中川です。

先日、えんりっちのリーダーメンバーと一日かけて、リトリートを行いました。

一般的にリーダー研修というと、目標を決めたり、役割を割り振ったりする場を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、この日にやったことは、ちょっと違うんです。

朝いちばん、ファシリテーターを務めてくださった方が、こう場を開いてくれました。

「今日は、何かを決める日でも、誰かが何かを背負う日でもありません」。

心の奥にある思いも、まだ言葉にならない感覚も、引っかかりも、そのまま出していい。正解はないので、頑張らねば、を一度外して過ごしてほしい、と。

一日を終えて、想像していたよりもずっと深い時間になりました。

なかがわ

この記事では、その日に生まれた「私たちの言葉」と、えんりっちがどんな組織でありたいと考えているかを、ご紹介できたらと思います。

目次

朝は「研修って名前が怖かった」から始まった

朝のチェックインは、その日の気持ちを話すところから。そこで出てきたのは、こんな声でした。

「リーダー研修って名前が怖かった」
「一日、何をするのか不安だった」

正直な気持ちだと思います。研修と聞くと、評価される場、何かを求められる場だと身構えちゃいますもんね。それは自然なことです。

そこから、少しずつ肩の力が抜けていきました。「なぜ、自分はえんりっちに入社したのか」を付箋に書き出して、みんなの動機を並べてみる。「働いてみて感じる、えんりっちらしさ」を出し合ってみました。

なかがわ

自分の話から始めて、会社を眺めて、最後にまた自分へ戻ってくる。そんな流れの一日でした。

終盤に出てきた言葉が、印象に残っています。

「みんなプロやな」
「話の前提には、いつも“子ども”がある」

役割や立場は違っても、全員が子どものことを一番に考えて働いている。それが、あらためて確かめられた一日でした。

私たちが届けているのは、療育の時間そのものではない

この日いちばんの収穫は、私からずっと大切にしてきた言葉を伝え、それをみんなで確かめ合えたことでした。

それが、「子どものつながりのひろがり」という言葉です。
私たちが本当に届けたいのは、療育そのものではなく、その先にある「子どものつながりのひろがり」です。

子どもが変わっていくとき、そこにはいつも、まわりの人とのつながりが広がっていく動きがあります。

お父さん・お母さん、園や学校の先生、お友だち。関わる人が増えて、関わり方が深まっていくと、その子の毎日そのものが、少しずつ変わっていきます。

私たちがつくっているのは、その「ひろがり」が生まれる場所です。

苦手をなくして「みんなと同じ平均」に近づくことが、ゴールではありません。
その子が、その子らしく過ごせること。

暮らしの困りごとは、ご家族といっしょに、ひとつずつほどいていく。安威教室と真砂教室、そして園や学校への訪問支援でも、大切にしているのは同じことです。

その「ひろがり」は、日々の仕事の中で、3つの軸から生まれてきます。

  1. その子の暮らしを知る
    家ではどんなふうに過ごしているか。園や学校で何に困っているか。おうちの人は何を願っているか。
  2. 目の前で、その子の「いい瞬間」を引き出す
    のびのびできた瞬間。ちょっと頑張れた瞬間。誰かと関われた瞬間。
  3. その瞬間を、おうちの人や先生といっしょに見て、言葉にする
    子どもの姿を真ん中に置いて、いっしょに眺める。

3つ目が、いちばん大事だと考えています。答えは、私たちが教えるものではなく、ご家族や先生の側に生まれてくるからです。

「今、この子はこんなふうに動いていましたね」と一緒に眺めるうちに、「家ではこうしてみようかな」という気づきが、その人自身の中から出てくる。その気づきこそが、つながりのひろがりの入口になります。

えんりっちの組織は、円(サークル)のかたち

午後は、「私たちの組織のかたち」について話しました。

えんりっちの組織は、ピラミッドではなく、円(サークル)がいくつも重なった形をしています。

それぞれが自分の役割の中で、自分で考えて動いていい。いちいち上の承認を待たなくていい、というのが基本です。

なぜ、この形なのか?理由は、私たちの仕事そのものにあります。

子どもの「いい瞬間」は、指示を待っている人からは引き出せません。

その場の空気を感じて、今この瞬間に応えられる人だからこそ、その子の中にある力を引き出せる。上の判断を待っていては、子どもの「今」は過ぎていってしまいます。

だから、現場のスタッフ一人ひとりが意見を言ったり、問題提起ができる形にしておきたい。管理者の役割は、判子を押すことではなく、スタッフが声を上げやすい環境をつくることだと考えています。

この日、「責任」という言葉についても話しました。責任という言葉は、ときに重く感じられます。そこで、責任を「プロ意識」という言葉に置き換えてみました。

プロ意識とは、専門性の高さのことではありません。自分の役割を、助けを借りてもいいので、匙を投げずにやり遂げようとする姿勢のこと。

なかがわ

だから、「やってみます」と言えること自体が、もうプロ意識だと考えています。

もちろん、技術やアセスメントの力を身につけていく場面では、教える側と学ぶ側という関係があります。組織運営ではフラットに、専門職としての育成では丁寧に。

私はこの2つは、矛盾するとは考えていません。

初日から「プロ」としての姿勢を持ちながら、まだできないことは、素直にアドバイスや助けを求められることも、プロ意識の一部だと考えています。

役割は、ゆずり合えるように

もうひとつ、この日に確かめたことがあります。

役割は、だれか一人で抱えこまない。 その人にしかできない仕事を作りすぎないようにして、長めのスパンで引き継ぎながら、みんなで回していく。

結婚、出産、介護。人生には、働き方を変えざるを得ない時期があります。そのときに役割を降りられないと、その人はえんりっちを離れるしかなくなってしまう。それは、とてももったいないことです。

だから、役割はゆずれるようにしておく。離れる時期があっても、また戻ってこられる。形を変えながら、支え合える。それが、いちばん安心して、子どもたちと深く関われる組織の形だと考えています。

「行ってきます」の笑顔を、子どもにも、私たちにも

一日の終わりに、みんなでチェックアウトをしました。

ファシリテーターを務めてくださった方が、「えんりっちが、蛹から蝶へ羽化していくような予感がした」と話してくれました。

私自身も、これまで積み上げてきたものが形になり、軸が通った一日だったと感じています。

なかがわ

何かが完成した日ではなく、共有し始められるスタートの日でした。

私たちが5年後に見てみたいのは、こんな風景です。

  • 園や学校をいやがって泣く子、にげる子が、目に見えて減っている
  • ご家族と療育と先生が、子どものことをチームで話せている
  • 先生が「わからない」と言える場がある。無力感を一人で抱えなくていい
  • 毎朝「行ってきます」と笑顔で出かける子の姿が、当たり前になっている

この「行ってきます」の笑顔を、子どもたちにも、そして働く私たち自身にも。そんな地域を、いっしょに作っていきたいと思っています。

この日に生まれた言葉は、まだ育てている途中です。細かいところすべてに、今すぐ全員が頷けなくても大丈夫。まずは「つながりのひろがりを大切にすること」を、みんなで分かち合えていれば十分だと思っています。

えんりっちへの関わり方は、一つではありません。守る人、広げる人、つなぐ人。

どんな距離からでも、いっしょに考えていける場所でありたいと思います。

こんな組織で、いっしょに働きませんか

なかがわ

えんりっちでは、安威教室・真砂教室、そして保育所等訪問支援で、いっしょに働く仲間を探しています。

「指示を待たずに、自分で考えて動きたい」 「子どもの“いい瞬間”を、ご家族や先生といっしょに喜びたい」 そんな方に、きっと合う場所です。まずは話を聞いてみたい、という段階でも構いません。

お気軽にお問い合わせください!

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