えんりっちでは感覚統合理論を軸に療育を実施しています。

それでは、感覚統合とはなにでしょうか?

それは、「複数の感覚を整理したい、まとめたりする脳の機能」です。

まだわかりにくいですね。

例えば、私たちは常にたくさんの感覚に囲まれて生活をしています。

換気扇の音、外を走る車の音、会話相手の声など(聴覚)

照明の光、時計、花、ソファ、外の景色など(視覚)

家の匂い、食事の匂い、風の匂い(嗅覚)

ソファの肌触り、風が吹く感覚、服の肌触り(触覚)

こんなにたくさんの感覚がありますが、私たちはその時に必要な感覚に絞って意識を向けることができます。

例えば、「会話相手の声」だけを聴くように、自然と感覚を整理することができます。

この感覚を整理する力が弱いと、本来集中すべきもの以外のことも気になってしまい、落ち着かなかったり、集中することが難しくなったり、あるいは反対に集中しすぎて呼びかけに反応しにくくなったりといった様子に現れます。

この状態が感覚統合が難しい状態と言えます。

また、私たちは会話をする際に自然と座っています。

なぜ、まっすぐと座れるのでしょうか?

普段は意識していませんが、私たちの身体には、運動に重要なセンサーが2つあります。

1つ目は「前庭感覚」と言い、揺れや頭の傾きなどを感じており、姿勢の真っすぐ差を感じています。

2つ目は「固有受容感覚」と言い、関節の動き(位置、角度)や筋肉の働き(力加減など)を感じており、体の動きを感じています。

この2つの感覚の働きによって、姿勢を保ったり、滑らかな運動コントロールが可能となります。

上記のような「複数の感覚を整理したり、まとめたりする脳の機能」は、乳幼児期の発達において特に重要であり、発達の土台となっていると考えています。

発達ピラミッドを見てください。

この図は感覚統合ピラミッドで頂点の最終段階には、学校生活を送る上で必要となる学習や思考、自尊心といった能力が挙げられています。

感覚統合理論では、この感覚統合のピラミッドを整えるアプローチをします。

感覚統合発達ピラミッド

例えば、最終段階の「学習」に難しさがあるとしても、その学習内容について反復練習をするのではなく、難しさの要因つまりピラミッドの下の段階である、認知機能や運動、感覚機能にアプローチすることで「学習」に良い影響を与えると考えます。

さらに、感覚統合では「遊ぶこと」とお子様の「モチベーション」を重要視します。

お子様が活動を楽しみ、かつ「少し難しい」にチャレンジしている状態を「フロー状態」と言い、脳の学習効果が一番高いと言われています。

『お子様は楽しく遊び、そして学校生活に必要な力を養う』

それが感覚統合のアプローチです。